お酒への嗜癖(依存症)は、ドラッグの嗜癖(依存症)と多くの点で似ています。以下にその類似点について紹介します。お酒を飲まない人からするとお酒が好きで周囲に迷惑をかけてしまう人のことを軽蔑してしまうケースが多々ありますが、正しい知識で向き合わないとボタンの掛け違いではすまされなくなってしまうので危険です。
お酒への嗜癖(依存症)
Question
夫はアルコール依存症でないようですが、かなりの酒好きです。お酒への嗜癖は、ドラッグの嗜癖と似ているそうですが?Answer
アルコール依存は、WHOの薬物嗜癖の分類では第Ⅱ型のパルビタール型にはいっています。アルコールは、耐性獲得から禁断症状までをおこすドラッグなのです。ただ、そこまでの症状をおこすには、平均20年の使用期間を要します。この点では、麻薬などにくらべて安全性が非常に高いので、嗜好品として販売されているのです。
https://condition-info.com/alcohol/
お酒への嗜癖(依存症)は、ドラッグの嗜癖(依存症)と多くの点で似ています。以下にその類似点を挙げます。
類似点
脳の報酬系への影響
- アルコール: アルコールは脳内の報酬系に作用し、ドーパミンの分泌を増加させ、快感を引き起こします。
- ドラッグ: 多くのドラッグも同様に脳の報酬系に作用し、ドーパミンや他の神経伝達物質を増加させることで強い快感を引き起こします。
耐性の形成
- アルコール: 継続的な飲酒により、体がアルコールに対する耐性を持つようになり、同じ効果を得るためにより多くの量を必要とします。
- ドラッグ: 長期間の使用により耐性が形成され、同様により多くの量が必要になります。
禁断症状
- アルコール: 飲酒を突然やめると、震え、発汗、不安、不眠などの禁断症状が現れることがあります。重症の場合、アルコール離脱症候群(DTs)という危険な状態に陥ることもあります。
- ドラッグ: ドラッグの使用を止めると、激しい禁断症状が現れることがあり、これには身体的な症状(吐き気、発汗、震え)や精神的な症状(不安、抑うつ)が含まれます。
行動の変化
- アルコール: アルコール依存症の人は、飲酒のために日常生活の多くの部分を犠牲にし、仕事や人間関係に問題を引き起こすことがあります。
- ドラッグ: ドラッグ依存症の人も、ドラッグを得るために犯罪行為に走ったり、家族や友人との関係を破壊することがあります。
再発のリスク
- アルコール: 依存症から回復しても、再び飲酒を始めるとすぐに依存状態に戻ることがよくあります。
- ドラッグ: 同様に、依存症から回復した後でも再発のリスクは高く、少量の使用で再び依存状態に陥ることがあります。
違い
合法性
- アルコール: 多くの国で合法であり、社会的に受け入れられていることが多い。
- ドラッグ: 多くのドラッグは違法であり、使用や所持が犯罪とされることが多い。
社会的影響
- アルコール: 社会的に容認される範囲での飲酒は一般的であり、依存症が顕在化するまで問題視されにくい。
- ドラッグ: 使用そのものが社会的に問題視されることが多く、早期から治療が必要とされることが多い。
健康への影響
- アルコール: 長期間の大量飲酒は肝臓、心臓、脳などに深刻なダメージを与える。
- ドラッグ: 種類によって異なるが、多くのドラッグは短期間でも心身に重大なダメージを与えることがある。
まとめ
お酒への嗜癖とドラッグへの嗜癖は、脳の報酬系への影響や耐性の形成、禁断症状、行動の変化、再発のリスクなど多くの点で共通しています。しかし、合法性や社会的影響、健康への影響には違いがあります。どちらも依存症となると治療が難しく、早期の介入と継続的な支援が必要です。
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