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2018年3月21日水曜日

お酒を飲まなくても肝炎になる

Question

お酒を飲まなくても肝炎になる

Answer

医学の進歩が重要なのは、単に「病気が治る」からだけではありません。医学には、社会から理不尽な差別をなくすという重要な役割もあります。

実際、「悪霊」や「たたり」「因果」などが病気の原因とされていた時代には、さまざまな人権侵害が横行していました。普の人はそうやって病気の恐怖から逃れていたわけですが、医学の進歩によって病気の原因が科学的に明らかになったことで、このような人権侵害は鳴りを潜めるようになりました。

これも医学の功績といえるでしょう。しかし、まだまだ病気に対する偏見は残っています。その中でもっとも根強いものの1つが肝臓病に対する偏見です。「肝臓が悪い」というと、ほとんどの人が「この人、飲んべえなんだ」と考えますが、これは誤解です。

たしかにお酒の飲みすぎが肝臓に負担をかけるのは事実ですし、酒好きに肝臓の悪い人が多いのもたしかです。しかし、肝臓病の人がみんな飲んべえかというと、けっしてそんなことはありません。

一滴もお酒を飲まない人でも肝臓病にはなります。もつとはっきりいうと、お酒の量と肝臓病にはほとんど関係はありませでは、何が原因で肝臓病になるかというと、ウイルスです。

肝硬変と肝臓ガンになった人の95%以上がB 型肝炎ウィルスとC型肝炎ウィルスのキャリアだったことが最新の研究で明らかになっています。

肝硬変と肝臓ガンはお酒の飲みすぎではなく、B型肝炎ウイルスとC 型肝炎ウィルスという「ガンウィルス」の感染によって起きる病気だったのです。

もっとわかりやすくいうと、肝硬変と肝臓ガンは感染症だったのです。「肝臓病はお酒の飲みすぎが原因」という説は単なる迷信にすぎません。「肝臓が悪い」といっただけで、その人を「飲みすぎ」「アルコール依存症」「遊び人」と決めっけるのは、昔の人が病人を「悪魔の手先」のように扱ったのと本質的には同じです。

お酒は百薬の長といわれるほど、飲み方によっては身体にいいものです。肝臓病を理由にお酒を責めるのは愚かな行為といえるでしょう。

ちなみに、ウィルス感染によって起きた肝硬変と肝臓ガンの85% はC型肝炎ウィルスで、残りの15% はB型肝炎ウィルスが原因です。

C型肝炎ウイルスは血液や注射針から感染するもので、B型肝炎ウィルスは主に母子感染といわれています。ウィルスのキャリアであるかどうかを調べる検査は簡単で、病院で血液検査をすればすぐにわかります。C型肝炎ウイルスに関しては、多くの自治体が無料で検査を行っています。

疲れた肝臓にはシジミ
 https://memo-note.com/shellfish/

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