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2020年12月7日月曜日

糖質制限食 Q&A コレステロールと糖質制限食の関係

Question

コレステロールと糖質制限食の関係

Answer

コレステロールは、とかく悪者にされがちですが、実は、細胞膜や男性ホルモン、女性ホルモンなどの原料として人体に欠かせない大切な物質です。

一般にL D L コレステロールは悪玉で、HDL コレステロールは善玉という言い方をします。

しかしH D L コレステロールが善玉というのはいいとして、LDL コレステロールが悪玉というのは正確ではありません。

正常サイズのLDLは、中に約40% のコレステロールを含んでおり、それを末梢組織に運ぶ真っ当な役割を果たしています。HDLは、末梢組織の細胞であまったコレステロールを回収して肝臓に運んでいます。

すなわち、LDLもHDLも人体に必要なものであり、逆に少なすぎたら困るわけです。

実際、2005年に日本動脈硬化学会で報告された、青森県立保健大学の調査や、日本循環器学会で報告された北海道大学の分析では、「総コレステロール高値と心筋梗塞は無関係」という結果が出ています。

糖質制限食で善玉コレステロールを増やす

これらの成果により、2007年4月の日本動脈硬化学会のガイドラインで、総コレステロールはついに「脂質異常症」の診断基準から外れました。コレステロールに関して、動脈硬化のリスク要因として問題となるのは、HDLコレステロールが低い人とLDLコレステロールが高い人です。  

そしてLDLコレステロールのなかで本当に問題となるのは、小粒子LDLコレステロール(小さくて高密度のLDL) と酸化LDLコレステロールです。

小粒子LDLは、真の悪玉である酸化LDLに変化しやすく危険な存在です。

酸化LDLは血液中で異物と見なされて大食細胞という免疫系の細胞に取り込まれていき、血管内皮細胞内でコレステロールを蓄積させて動脈硬化を起こし、心筋梗塞のリスクとなります。

酸化していない普通の1 D l は、異物ではないので血管内皮に障害を起こしません。中性脂肪が多くてHDLコレステロールが少ない人は、小粒子LDLがたくさんある可能性が高いので要注意です。

一方、HDLコレステロールが多くて中性脂肪が少ない人は、小粒子LDLコレステロールと酸化LDLコレステロールは少ないので安心です。

糖質制限食で善玉のHDLコレステロールコレステロールは増加し、中性脂肪は正常になります。一般にHDLコレステロールコレステロールが高いはど、心筋梗塞とガンのリスクが減少します。薬物でHDL コレステロールを増やすことは現時点で困難なので、糖質制限食は大きなアドバンテージを持っています。

糖質制限食でLDLコレステロールは低下・不変・上昇と個人差があります。一旦上昇した人も半年〜1年くらいで落ち着くことが多いです。

 

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